相続前後に対応す
るべきこと
複雑になりがちな相続は
一つひとつ落ち着いて対応を
つどい不動産は、太宰府・大野城・春日エリアの地域密着型不動産会社です。当社では、お客様一人ひとりに代表が直接対応。分かりやすい説明を心がけ、お客様の不動産売却をサポートします。ここでは、不動産の相続前後に対応すべきことを解説します。相続が発生すると、遺言書の確認や相続人の確定など、さまざまな手続きが必要になります。複雑に思われがちな相続では、手続き一つひとつ落ち着いて対応しておくことが、スムーズに進める上で重要になります。
不動産相続の手続き
不動産を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう。相続手続きが終わってから遺言書が見つかると、その内容に従って相続をやり直さなければならないので、非常に面倒なことになります。遺言書の有無が確定したら、「相続人と相続財産の確定」「遺産の分け方」を決めていきます。
相続人と相続財産を確定する
遺言書があれば、それに従って相続人を決めます。遺言書がない場合は、相続人と相続財産を確認する作業を進めましょう。
例えば、被相続人に配偶者と子どもがいた場合、両者とも相続人になる可能性もあります。両親、兄弟姉妹もそれに次ぐ相続人になるでしょう。血族の相続順位は法律で決まっているので、それに沿って相続人を決めていくことになります。法務局で被相続人の戸籍の住民票を提出すると相続情報一覧図を取得できるので、それを使って相続人を確認してみましょう。
相続の対象となるのは、不動産のほかにも預貯金や株式、生命保険、金(きん)などの動産も含まれます。こうしたプラスの財産のほか、住宅ローンなどの負債も相続対象になるので、注意が必要です。
遺産の分け方を決める
財産の分け方も、遺言書があればそこに記載されている内容に従います。遺言書がない場合は、相続人全員が参加する「遺産分割協議」で、相続人がどのくらい遺産を分けるかを決めていきます。遺産の分け方が決まったら、「遺産分割協議書」を必ず作成してください。これがないと相続税の申告はもちろん、相続税を軽減する特例も利用できません。なお、「遺産分割協議書」を自分たちで作成するのが難しい場合、税理士などのプロに依頼するのも、ひとつの方法です。
相続税がかかる場合について
相続税は、被相続人から受け継いだ財産に対して課せられる税金です。具体的には、プラスの財産からマイナスの財産とお葬式の費用を引いた金額に対して課せられます。ただし、相続税には基礎控除額(3,000万円+600万×法定相続人の数)が定められています。なお、相続税の税率は金額によって変動します。
さらに、土地を相続する際は「小規模宅地等の特例」という制度を利用することで、評価額が減額されることも。配偶者の場合、相続した遺産額が法定相続分、もしくは1億6,000万円までなら相続税がかかりません。なお、この特例を利用する際には「亡くなった人が自宅として使っていた土地を、配偶者、もしくは同居親族が相続した場合」という条件があります。また、これらの特例を利用する場合は、相続税の申告を行う必要があります。相続税の申告は「相続開始から10ヶ月以内」と定められているので、申告手続きは速やかに進める必要があるでしょう。
相続人が対応しておくべきこと
相続は慣れないことの連続で、混乱してしまうこともあるでしょう。被相続人の生前からしっかり準備・対策しておくことで、いざ相続したときに相続人の負担を減らすことができます。
不動産は売却を
不動産は、被相続人の生前に売却しておくことで、相続人が現金として分割しやすくなります。「財産が自宅しかない」という場合は、リースバックで現金化するのも方法のひとつです。この制度は、自宅売却後に買主と賃貸契約を結び住み続けるというもの。売却代金を手にした後も、家賃を払えばその家に住むことができるのです。ただし、不動産売却後に譲渡所得税が発生するという点には、留意しておきましょう。
家族信託を利用しよう
被相続人が認知症になると、財産の管理や遺産分割の判断もできなくなります。そうした場合に備え、家族信託を検討しましょう。これは、不動産をはじめとした資産の管理・処分を、信頼できる家族に任せる仕組みを指します。これを活用すると、被相続人が亡くなった後の財産移転先を指定しておくことができます。なお、家族信託は被相続人が認知症になってからは契約できないため、注意しましょう。
配偶者居住権を利用しよう
被相続人の配偶者が自宅の所有権を相続せずとも引き続き居住できる権利として、「配偶者居住権」というものがあります。配偶者が財産を相続する場合、「相続分」内で不動産の利用権を取得すると、預貯金などそのほかの財産を相続できなくなることがあります。しかし、「配偶者居住権」を行使すれば、そのほかの財産も相続できる可能性が高くなるのです。
生命保険に加入する
被相続人が生命保険に加入していれば、法定相続人である配偶者や子どもが生命保険金を受け取れるようになります。生命保険金は、被相続人の死亡後受取人の権利が発生するため、相続財産とはみなされないのです。保険金自体は「みなし財産」であるため相続税の対象ですが、法定相続人1人あたり500万円までは非課税となります。受取金額を500万以内にしておけば、節税につなげられるのです。
被相続人が対応しておくべきこと
不動産相続をスムーズに進めるためには、財産を残す側の被相続人自身も対策を行う必要があります。まずは、被相続人自身で不動産の整理を行いましょう。固定資産課税台帳や固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書などを確認すれば、土地や家屋の所在地、面積、評価額などが分かります。
また、税金対策も事前に行いましょう。例えば、配偶者には贈与の特例があります。婚姻20年以上の配偶者に居住用不動産を贈与した場合、一定の条件を満たせば最高2,000万円まで控除されます。通常の贈与の基礎控除を組み合わせると、2,110万円までは贈与税がかかりません。
配偶者だけでなく、子どもたちとも相続についてあらかじめ話し合っておきましょう。「長男には不動産を譲る」と決めておけば、ほかの相続人にはそれ以外の財産を用意することで、バランスが取れます。仲の良い家族が自分の死後も良好な関係を築けるよう、生前に遺言書を作成しておくことも重要です。